結婚式に振袖をレンタルで着たい!留袖・訪問着etc着物の種類と相場について
親戚や友人の結婚式で振袖や着物を着てみませんか。結婚式の服装は洋装も素敵ですが、振袖や訪問着などの和装もキリっとした雰囲気ら優雅さがとても素敵です。
最近ではナシ婚やジミ婚もあって、式にお呼ばれするのはうれしい限り…。お祝いや出席にお金がかかると思っても、ここはしっかりとマナーや祝福を伝えたいところです。
結婚式に着る着物は訪問着・振袖などいくつか種類があり、立場により着るべき着物は異なります。結婚式で着る着物は、すべてレンタルで借りることができます。
今回の記事では、結婚式に振袖を着たいみなさんのために、結婚式で着るべき着物の種類とレンタル時の相場について解説していきます。
目次
結婚式で着る着物の種類
①振袖
結婚式で振袖を着るべき方:
- 結婚する方(大振袖か中振袖)
- 友人や親族などのゲスト(中振袖か小振袖)
振袖は未婚の女性が着る第一礼装です。第一礼装とは、いわゆる「冠婚葬祭」と卒業式などの「式典」で着る服装を言います。振袖は、通常の女性用の着物と比べると華やかで細かい柄が施されており、素材は絹100%の正絹(しょうけん)が最高級とされています。
(1)結婚式に参列するなら小振袖か中振袖
振袖はもともと江戸時代に誕生しました。当時は袖の長さで優雅さや家の品格まで表したとされています。一見同じように見える袖の長さも、実は大振袖(110cm以上!)と中振袖(95~100cm)と小振袖(85cm)の3つの種類に分けられます。
(2)レンタル振袖では袋帯も貸してくれる
帯を合わせる場合、レンタルショップ、ホテルや式場の貸衣装でも、振袖には袋帯を合わせるのが一般的です。新婦の着用する花嫁衣装では、礼装として丸帯を着用しますが、振袖の場合は礼装もしくは略礼装用として袋帯を使用します。
結婚式で花嫁としてお色直しをする方は、何着かあるうちの1着を振袖(大振袖)にすると、とても良い記念になります。
振袖をゲストとして結婚式で着るには少々派手かな?と感じる方もいるかもしれませんが、最近では、成人式で着る振袖を結婚式や卒業式にも着ていこうと派手過ぎない古典柄の振袖を選ぶ方も増えています。
(3)カジュアルなパーティ以外なら着用OK!
カジュアルな結婚式であれば、振袖を着用していることで浮いてしまうことになり、新郎新婦よりも注目を集めてしまうことがあります。こうした場合を除けば、振袖で出席するのはおすすめです。
着用する振袖の種類は、結婚式や披露宴出席でも、色も絵柄も限定はありません。黒地のものであっても絵柄が入っていますし、帯や小物でアレンジできるでしょう。
淡い色や白っぽい振袖であっても絵柄があり、帯に金や色物の帯を使うなら、ウェディングドレスや白無垢に並ばずにすみます。
②黒留袖
結婚式で留袖を着るべき方:
- 新郎新婦の母親や祖母
(1)黒留袖と紋
黒留袖の特徴は、上半身は無地で両胸元・両袖・背中に丸いマークの5つの「紋」がある点です。この紋は5つ紋といわれ、日本の家のルーツによる家紋です。家紋は日本に全部で4,000以上もの種類が存在します。
黒留袖の紋の入れ方は、アップリケのように縫い付ける「縫い紋」ではなく、「抜き紋(日向紋)」といって黒地の生地の白い部分だけを染めないで残す方式の入れ方が正式とされています。
(2)黒留袖の絵羽模様
黒留袖のもう一つの特徴として、裾に広がる「絵羽模様(えばもよう)」があります。絵羽模様とは、広げた時にまるで一枚の絵のようにつながっている模様のことを言います。黒留袖の絵羽模様にはいくつか種類があり、年代によりふさわしい柄や色を選ぶことができます。
(3)黒留袖と比翼仕立て
黒留袖の3つ目の特徴は、「比翼」という裾から膝あたりまでの白い生地(裏地)と表地を重ねて縫い付ける仕立てがあります。外から見るとまるで白い裏地が縫い付けられているように見える比翼仕立ては、黒留袖の格式を一層上げてくれるデティールなのです。
③色留袖
結婚式で色留袖を着るべき方:
- 新郎新婦の兄弟、姉妹、いとこ
- 振袖を卒業した既婚女性
黒留袖と同じく、既婚女性の第一礼装とされるのが色留袖です。格で言うと、色留袖は黒留袖より一段劣ります。裾には黒留袖と同様、上半身は無地で裾に絵羽模様が入ります。
近年は既婚・未婚を問わずに着られる女性用の礼装として幅広く着られており、薄いピンクやグリーンなどのパステルカラーの色留袖は30代の若い女性にも人気です。
色留袖は、黒留袖のように紋をつけることで格が上がります。しかし、原則的に5つ紋をつける黒留袖と異なり、紋の数は3つ(両袖・背中)または紋なしで着ることも可能です。紋なしの場合は、よりカジュアルな印象となります。
④訪問着
結婚式で色留袖を着るべき方:
- 新郎新婦の兄弟、姉妹
- 新郎新婦のいとこ
色留袖と見た目が似ているように見られる訪問着ですが、大きな違いは上半身の柄があるなかいです。訪問着には上半身に柄が入りますが、色留袖には入りません。
訪問着は留袖の次に格のあるお出かけ着として、若い方から高齢者まで幅広く着られている女性用の着物です。
⑤袴
結婚式で色留袖を着るべき方:
- 新郎
- 新郎の父親
袴は洋装のズボンのような形をしている着物の一種です。男性も女性も着用しますが、女性の場合は主に卒業式に振袖と合わせるスタイルが一般的です。
袴を着るときは「羽織」というジャケットのような着物を合わせる「羽織袴」のスタイルが正装とされています。羽織には黒留袖のように5つ紋をつけるのがルールです。
着物レンタルで借りる時の相場
お手持ちの着物を着ることもできますが、結婚式に参列するときはレンタルもおすすめです。必要な小物もすべてセットで貸してくれますし、ネットの場合は宅配してくれるので便利です。
ここで、結婚式に参列するときの着物について、レンタル費用の相場を紹介します。
①振袖のレンタル相場
(1)30,000円台後半~40,000円台後半が主流(12.1月利用を除く)
結婚式のための振袖レンタル費用として、一番多いのは30,000円~40,000円以上といわれます。この費用に加えて、着付けや部屋メイクの費用が必要となるので、5万円前後を予算としておきましょう。
新郎新婦のリクエストで「振袖」の着用を依頼される場合は、着付けやヘアメイクをホテルや式場で依頼して支払いしてくれることもあります。事前に確認しておきましょう。
(2)成人式に着た振袖がある場合は
成人式用に振袖を購入した方であれば、結婚式のためにもう一度振袖をレンタルする必要はありません。着付けとヘアメイクのみの費用が必要です。結婚式場の場合12,000円から18,000円、ホテルは15,000円 から20,000円が相場となります。
着付けとへメイクは美容院などホテルや結婚式場以外の方が安い場合が多いため、始まる時間にゆとりがある場合は、少し距離があっても費用を優先して依頼先を選んでもいいでしょう。
②黒留袖のレンタル相場
黒留袖をホテルや結婚式場でレンタルする場合、費用の相場は2万円~が主流です。ネットレンタルする場合は、1万円~4万円が相場となっています。
桂由美などのブランド柄の場合はネット利用でも約2~3万円、大きいサイズの場合は4万円ほどのレンタル費用がかかります。
③色留袖のレンタル相場
色留袖のレンタル相場は、ホテルや結婚式場などの店舗で借りる場合は3~10万円、ネットレンタルの場合は2~7万円程度となっています。
値段の違いは生地の素材です。高い色留袖は光沢のある絹素材が使われていますが、安い色留袖ではポリエステルなどの安価な素材が使われています。
④訪問着のレンタル相場
日常的に使われることの多い訪問着は、最安値で9,900円~と比較的安い価格でレンタルができます。訪問着は着付けを習っている着物ファンもよく着ることから、絞りや小紋など種類も豊富で選ぶのが楽しい着物です。
⑤袴のレンタル相場
新郎や男性親族が着る紋付き袴は、振袖のようにアイテム数が多い着物の一種です。そのため、レンタル費用は3万円台後半~5万円ほど、振袖よりやや安いぐらいの価格でレンタルされています。
結婚式にふさわしい振袖の選び方
結婚式にふさわしい振袖の選び方は、以下の3つです。
- 新婦の衣装と色が被らないようにする
- 縁起の良い柄を入れる
- 会場の雰囲気に合うコーディネートにする
それぞれの選び方について詳しくご紹介します。
新婦と色が被らないようにする
結婚式で着用する振袖を選ぶときは、主役である新婦と色が被らないように配慮しましょう。新婦に振袖で結婚式に出席することを伝えたうえで、当日の衣装の色を確認できると安心です。
また、振袖の生地が白の場合、マナー違反ではありませんが結婚式では避けるのが無難です。結婚式において白は、「花嫁を象徴する色」とされています。パーティードレスの場合も白色を避けるのが一般的であるため、白メインの振袖は避けましょう。
そして黒生地の振袖もマナー違反ではありませんが、新郎新婦の母親が黒留袖をお召しになっている場合、似た配色となってしまいます。黒留袖と振袖では柄の配置なども異なりますが、同じ衣装に見えてしまう可能性があるため、避けるのが無難です。
縁起の良い柄を入れる
お祝いの席である結婚式では、縁起が良いという意味が込められている吉祥文様や有職文様が描かれた振袖を選びましょう。
吉祥文様では、祝福を表現している「束ね熨斗」や「扇」、夫婦円満を意味する「貝桶」や「鶴」がおすすめです。また有職文様では、繁栄や円満の意味が込められている「七宝」や、長寿の象徴である「亀甲」などを選ぶとよいでしょう。
振袖に描かれている柄には、一つひとつに意味が込められています。それぞれの柄の意味について以下の記事にまとめておりますので、ぜひ合わせてご確認ください。
会場の雰囲気に合うコーディネートにする
会場の雰囲気に合わせて、振袖の柄や小物をコーディネートしましょう。会場が老舗料亭や格式のあるホテル・結婚式場であれば、厳かな会場の雰囲気に合わせて、古典的な柄が入った振袖がおすすめです。上品な小物を合わせて、品のあるコーディネートに仕上げましょう。
一方、カジュアルな会場であれば、会場の雰囲気に合わせてカジュアルな柄や小物を使った振袖をコーディネートしても問題ありません。事前に会場の雰囲気を確認したうえで、会場の雰囲気に合う振袖コーディネートに仕上げてください。
結婚式にふさわしい振袖小物の選び方
結婚式にふさわしい振袖小物の選び方について、小物別に詳しくご紹介します。
- 半襟
- 重ね襟
- 帯
- 帯揚げと帯締め
- バッグ
- 草履
半襟
結婚式に振袖を着用するときは、白の半襟を選びましょう。結婚式は成人式と異なり、フォーマルな場であるため、会場の雰囲気にふさわしい装いをしなければなりません。カラフルな柄が入った半襟は控えて、白の生地の半襟を選びましょう。
また、白の生地の半襟であれば、白・銀・金で刺繍が施された半襟でも問題ありません。刺繍が入っていると、顔まわりが品のある華やかな雰囲気になるのでおすすめです。
重ね襟
結婚式の振袖に合わせる重ね襟を選ぶときは、装飾が施されていない品のあるシンプルな重ね襟を選びましょう。パールやレース・フリルなどが装飾された重ね襟は、カジュアルに見えてしまうためフォーマルな場にはあまりふさわしくありません。重ね襟の色は上品さをイメージした、淡めの色味で合わせるのがおすすめです。
帯
結婚式の振袖に合わせる帯は、フォーマルな場にふさわしい上品さを感じる帯を選びましょう。奇抜な柄や派手な色の帯は、結婚式では避けるのが無難です。振袖に描かれた古典柄を取り入れた帯を選べば、統一感が出ておしゃれに着こなせます。
また帯を結ぶときは、シンプルで落ち着いた結び方にしましょう。結婚式では、主役である新婦よりも目立つ装いは避けるのがベターです。「文庫結び」や「お太鼓結び」などで、シンプルに仕上げましょう。
帯揚げと帯締め
結婚式にふさわしい振袖の帯に似合うように、帯揚げと帯締めも上品さを感じさせるシンプルなものを選びましょう。
結婚式の振袖に合わせる帯揚げと帯締めは、黒留袖や色留袖のように白や金などで揃える必要はありません。しかしフォーマルな場に雰囲気を合わせるために、奇抜な配色や装飾は避けるのが無難です。
帯揚げはレースやフリルが施されたものではなく、総絞りや上品な刺繍の入ったものなどを選びましょう。帯締めはラインストーンや目立ちすぎる装飾は避けて、控えめな装飾のものを選んでください。
バッグ
貴重品などを入れて持ち運ぶバッグは、振袖に合わせて上品な和装用のバッグを選びましょう。成人式で使用される巾着バックは、バッグの素材によってカジュアルに見えてしまう場合があります。フォーマルな場では、持ち手のついたハンドバッグを選ぶのが無難です。
和装用のバッグはボタンで開閉できるタイプや、がま口タイプなどがあります。荷物の取り出しやすさを確認したうえで、自分が使いやすいバッグを選んでください。
また和装用バッグは容量が小さいため、荷物が多ければサブバッグを活用するのがおすすめです。貴重品のみを和装用バッグに入れて、残りはサブバッグに収納し、結婚式場にあるクロークに預けましょう。
草履
結婚式の振袖に合わせる草履は、5センチ程度の高さがあるものを選びましょう。高さがあるほうが、フォーマルな場にふさわしいとされているからです。また、ある程度高さのある草履であれば、振袖の裾が床について汚れる心配もありません。
振袖に合わせる草履の色味は、フォーマルなシーンにぴったりな上品さを感じる金や銀などがふさわしいとされています。他の小物と同じように、奇抜な色や柄が入った草履は避けるのが無難です。また、草履の鼻緒と台の色や素材が同じものを選びましょう。
振袖を結婚式で着用するときのマナー
振袖を結婚式で着用するときには、以下5つのマナーを押さえましょう。
- 既婚されている方は着用を控える
- 生花のアクセサリーはNG
- 殺生を連想させる生地を避ける
- ヘアスタイルはアップスタイルがおすすめ
- 絽の振袖は肌着が透けないように汗対策を行う
それぞれのマナーについて詳しくご紹介します。
既婚されている方は着用を控える
振袖は未婚女性の第一礼装であるため、既婚されている方は着用を控えましょう。結婚式に出席されているゲストの中には、格式を重んじる方もいらっしゃるかもしれません。ご自身だけでなく、新郎新婦に対しても悪い印象をあたえてしまう場合もあるため、既婚されている場合は、振袖の着用を控えましょう。
もしお気に入りの振袖を着用する機会を増やしたい場合は、振袖から訪問着へリメイクする方法もあります。以下の記事にて、振袖から訪問着へのリメイク方法やメリット・デメリットなどをご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
参照:振袖を訪問着として活用するメリット・デメリットと2つの注意点
生花のヘアアクセサリーはNG
結婚式では、新婦以外の方が生花を使ったヘアアクセサリーを身につけることがNGとされています。結婚式の主役である新婦と被らないように、生花以外のヘアアクセサリーを選びましょう。
ただし、フォーマルの場にふさわしくない派手な色味や、目立ちすぎる装飾が施されたヘアアクセサリーは控えるのが無難です。主役である新婦よりも目立たないように、控えめなデザインのものを選びましょう。
例えばちりめんを使ったつまみ細工のヘアアクセサリーやパールピン、シンプルなデザインのかんざしなどがおすすめです。また振袖の色味と同じアクセサリーを選ぶと、全体に統一感が生まれて、おしゃれな印象になりますよ。
殺生を連想させる生地を避ける
結婚式では、殺生を連想させるような生地を使った小物の使用を避けましょう。成人式で防寒対策として使用されるフェイクファーは、結婚式の場にはふさわしくないとされています。
もし冬の時期の結婚式にお呼ばれしたときは、防寒対策として大判のショールなどを手配するのがおすすめです。それから草履・バッグやアクセサリーなども、動物毛を使ったものは避けましょう。
ヘアスタイルはアップスタイルがおすすめ
結婚式などのフォーマルな場では、アップスタイルがおすすめです。顔まわりやうなじがすっきりと綺麗に見えるため、振袖を着用したときのバランスがよく見えます。ただし、主役である新婦よりも、髪の毛を盛りすぎないように注意が必要です。
ミディアム・ロングヘアの場合は、コンパクトにまとめたシニヨンや編み込みスタイルがおすすめです。ショートヘアの場合は耳掛けのヘアスタイルや、毛流れを綺麗にまとめたヘアスタイルもよいでしょう。フォーマルな場にふさわしい、上品なヘアスタイルを意識してください。
絽の振袖は肌着が透けないように汗対策を行う
夏場の結婚式で絽の振袖を着用するときは、肌着が透けないように汗対策を行いましょう。着付けの前に制汗剤を使用し、吸水性のある和装用下着や肌着を身につけるのがおすすめです。
また通気性のあるメッシュや綿などの素材を使用した夏用の着付け小物を使用することで、涼しく快適に過ごせます。夏の暑さが気になる場合は、ぜひ夏用小物の使用を検討してみてください。
まとめ
振袖は未婚女性の第一礼装であるため、結婚式にふさわしい礼装です。親族の結婚式だけでなく、ご友人の結婚式にもお召しいただくことができます。ただし、結婚式は成人式と異なり、フォーマルな場です。フォーマルな雰囲気にふさわしいコーディネートに仕上げる必要があります。
結婚式にふさわしい振袖を選ぶときは、新婦の衣装と色が被らないように配慮し、おめでたい席にぴったりな縁起の良い柄が描かれた振袖を選びましょう。会場の雰囲気に合わせたコーディネートに仕上げることも大切です。
また結婚式の振袖に合わせる小物は、華やかさよりもシンプルで上品な小物を選びましょう。奇抜な色味や装飾を避けて、礼装にふさわしい上品な雰囲気のものを選ぶのがおすすめです。
ICHIKURAでは、成人式だけでなく結婚式でも着用できる振袖を多数取り扱っています。また振袖は持っているけど結婚式に合う小物がない場合は、小物のみレンタルすることも可能です。振袖を使用する用途やシーンなどをお伺いしたうえで、専門のコーディネーターがご案内させていただきます。気になる方はぜひ一度お問い合わせください。