「ママ振り」-。この言葉をご存じですか?お母さんの振袖を着るという意味の言葉ですが、お母さんの振袖だけでなく祖母や親戚の振袖だっていいのです。数十年前に家族が着た振袖を、今度は私が着る。なんだか照れくさいような、嬉しいような気持ちになることでしょう。
さて、ママ振りを素敵に着こなすにはちょっとしたコツがあります。お母さんの振袖をそのまま着るのではなく、現代風に着てみたい!そんな貴方に、今回の記事をお届けします。
目次
1.お母さんの振袖の色が地味な場合
お母さんの振袖って「色が地味」。これがよく聞かれる振袖女子のお悩みです。でも、お母さんが悪いわけではありません。その色が、昔は流行っていたのです。
①小豆色
小豆色は、「はいからさんが通る」という日本の代表的な少女漫画の主人公も着ていた着物の色で、赤が少しくすんでいる日本的な色です。
小豆色は振袖に合う、とても良い色です。しかし、パステルカラーと相性があまりよい色ではありません。その代わり、黒や紺色といった寒色系、そしてシルバーと相性が良い色です。
振袖の柄にもよりますが、お母さんの振袖の色が小豆色なのであれば帯締めや帯にシルバーを取り入れてみては?茶髪にもよく合う振袖色なので、日頃黒髪の方はちょっと気分を変えて髪色チェンジしてもよいかもしれません。
②黒色
続いて多いお母さんの振袖色は、黒です。黒というと今もとても人気のある振袖色ですが、お母さんの振袖に多いのはボカシ(グラデーション)の黒です。
今流行っている振袖を見ると、黒に薔薇柄などの現代柄が多いのですね。ボカシは和的で素敵なのですが、このボカシの黒が今風の振袖との境界線になっています。
ボカシの黒の振袖をお持ちであれば、紫の帯と合わせて大人っぽいコーディネートにしてがいかがでしょうか?帯が紫、帯締めを緑にするなど、寒色系の帯をもってくることでメリハリのあるコーディネートに生まれ変わります。
髪型もアップにせず、ふわふわしたカールの編み込みにすれば黒のキツイ雰囲気が和らぎます!編み込みは、是非当サイトの以下既存記事もご覧ください♪
③朱色
朱色は印鑑の朱肉の色です。オレンジより少し濃い色である朱色も、お母さんの振袖に多い色です。朱色の振袖には、思い切って反対色(補色)の緑や黄緑の帯はいかがでしょうか?金色やシルバーの帯で出過ぎる貫禄をなくし、可愛いポップな雰囲気に仕上げることができます。(※上記の画像は振袖ではなく袴着用です!)
朱色はシミが目立つ色ですので、もしシミがあるようであれば事前に染み抜きを依頼しましょう。
④白色
白は少数派ながら、お母さんの振袖に多い色です。昔の振袖の白色は、高価なものが多かったので、お母さんも思い入れが深い一品かもしれません。
保管状態により、そのまま着られない振袖もあることでしょう。その場合、染め直しすることによりお好きな色に染められる場合があります。一度着物業者に問合せしてみましょう。
白は今流行りのパステルカラーとも好相性です。帯や半襟をピンクや水色にすれば、キュートな姫系振袖に早変わりします。
2.お母さんの振袖の柄が気に入らない場合
色はいいけど、柄がイヤ!こんな声も聞こえてくる、お母さんの振袖。柄の問題には、どう対応すればいいのでしょうか?
①柄数が少ない
今の流行りは柄がたっぷりの振袖です。しかし、柄が多い振袖は「派手すぎる」と敬遠する方もいらっしゃいます。全ての方が豊富な柄をお好きなわけではありません。
柄の少なさは、ヘアメイクやネイルなどを派手目にすることでカバーできます。また、肩周りの柄はファーを着てしまえば全く分かりません。
②柄の配置がイヤ
振袖の柄の配置の流行は、確かにあります。柄の配置をお直しで変更することもできますが、それには時間もお金もかかります。腰や胸の周りの柄であれば、多少は着付けで位置をずらすことも可能です。
あとは、帯(帯揚げ、帯締め)や半襟といった小物をインパクトにあるものにすれば視線をずらす効果があります。
今は、昔では考えられないおもしろい柄の小物が手に入れられます。帯だけであれば、服飾専門学校の方であれば生地を買って作ることもできますよね。
③柄が古い気がする
柄の古さは、むしろ長所になります。振袖業界では、数年前から「古典柄」といって吉祥文様などのおめでたい柄も若い人に人気があります。
古い柄がイヤであれば、それを隠すのではなく堂々と着てみるのはどうでしょうか?レトロ振袖を好んで着る女子もいるほどです。クラスのオシャレ女子にお母さんの振袖写真を見せて、「あなたならどう着る?」とアドバイスを求めるのも、よい方法です。
3.ヘアメイクしたあとだと印象が変わります!
お母さんの振袖をちょっと見ただけで、「やっぱり古いから着ない!」と判断するのですか?それは、もったいないですよ!
一度鏡にヘアメイクした状態で、着付けてもらうとだいぶ印象は変わります。振袖はかなり派手な衣装。すっぴん顔には合わなくても、ヘアメイクしたあとの顔にはなじむ場合もあるからです。
4.【番外編】お母さんの振袖にシミやくすみがある場合
せっかくお母さんの振袖を着ようと頑張ってはみたものの、シミがある場合は染み抜きしてから来てください。安ければ、5,000円~染み抜きしてくれる業者を探すこともできます。ネットやタウンページで探してくださいね。
振袖にシミがあると、せっかくの晴れの日が残念なものになるかもしれません。せっかくの成人式です。お母さんの振袖を染み抜きすれば、お母さんも喜びます。
シミ抜きは業者により、依頼から数週間かかる場合もあります。早めの対策で余裕をもった成人式にしましょう。
まとめ
お母さんの振袖を色別で着るコツをお伝えしました。何十年前の振袖をもう一度着られるって、ステキなことです。小物やヘアメイク、そして染み抜きで現代風によみがえらせてくださいね♪