振袖には3つの種類がある!成人式で着るのはどの振袖?振袖の種類解説

着物はその種類によって少しずつ造りが異なっています。訪問着などの街でも見かける着物と比べて袖が長く、華やかに見える着物が振袖です。また、振袖のなかでも種類が分かれています。ここでは、種類ごとの特徴や見分け方をご紹介します。

1.振袖に3つの種類とは

振袖は、袖の長さや着物の造りによって、格も変わり着用する場面も変わります。

基本は「大振袖」「中振袖」「小振袖」という3つの種類に分けられます。さらに、着用する機会はごく限られますが、結婚式で和装を選ぶ場合に新婦が着用する「引き振袖」と呼ばれるものもあります。

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2.成人式でよく見られる中振袖

未婚女性の正礼装ともいわれる一般的な振袖の正式な呼び方は「中振袖」です。普段着物を着用されない方には、中振袖でも袖が大変長く感じ、大振袖と変わらないように思えるかもしれません。それでも、成人式で着用される振袖は、袖の長さが大振袖よりも短い、「中振袖」です。

3.結婚式で着るのは大振袖

結婚式で婚礼衣装として新婦が着用することもある「大振袖」や「本振袖」は未婚女性の最上位の格式をもつ第一正装として扱われるものです。 大振袖の袖の長さは110cmを超えるので、小柄な体格の方は着用時に袖を引きずってしまうこともありえます。

別に「引き振袖」と呼ばれるものもありますが、袖の長さは大振袖と同じで、裾に入れた綿の少ないものです。

4.小振袖なら成人式と卒業式と2イベントで着られます

袖の長さが最も短いタイプの振袖は、「小振袖」と呼ばれます。振袖の中では一番短い袖なので、着用しやすく振る舞いやすいのが特徴。袖が短い分、可愛らしく見えるという印象もあります。成人式で見かける「振袖」の多くは、「中振袖」か、この「小振袖」です。

5.振袖の種類の見分け方

振袖の種類を見分ける方法は大きく分けて2つあります。ひとつは「袖の長さ」で、もうひとつは「紋の数」です。

格が高く第一礼装にあたる「大振袖」「本振袖」は、袖の長さが114cm前後もしくはそれ以上の長さです。さらに、両前身頃、両袖、後ろに5つの紋が刺繍されていることがあります。

袖の長さが長いほど、インパクトも強く艶っぽく見え、格が高いといわれていた時代もありました。

「中振袖」の場合は、袖の長さが95~100cm前後の袖丈が特徴です。準礼装として格付けされますが、未婚女性の場合は正装として着用することに問題はありません。

袖の長さが、2尺、つまり85cmほどの長さのものが「小振袖」です。明治時代に多く着用されていた、女学生のイメージがそのまま残る長さであり、活動的な印象もある振袖です。成人式に着用したり、袴と合わせて卒業式に着用したり、式典での着用も可能な着物です。 お手持ちの振袖はどの種類なのか、後でチェックしてみてくださいね。

6.袖をあとから短くすることも可能

「大振袖」「中振袖」、そして「小振袖」など、訪問着や街着よりも袖の長い着物は、成人式や結婚式で振袖を着用した後、袖の長さを短くすることができます。

特に、既婚者は振袖を着ないという習慣が強かった時期もあり、成人式と結婚式で振袖を着用した後には袖を調整するというのが、かつては一般的な風習でした。袖を切るときには、訪問着や留袖と同じ長さにします。

しかし、今ではお母様やお婆様がお召しになった振袖をお嬢さまが受け継いで着用されることも増えています。こうしたサステナブルな考え方が広まり、着物のお手入れしながら大切に保管される方も増えているのはうれしいことですね。

まとめ

華やかな振袖にも種類があります。その華やかさや着付けた後の美しい着物姿は、和装特有の魅力があり、やはり「正装」としての価値を感じますよね。どんな袖の長さでもより美しく見せられるよう、立ち居振舞いを意識しながら楽しく振袖を着用しましょう。