振袖の着付けには、振袖以外にも、長襦袢や半襟、重ね襟、帯締めといった普段聞き慣れないアイテムが多く必要となります。
その中でも半襟(半衿)は欠かせないアイテムの1つです。
しかし、重ね衿など似た呼び名のものもあり、どちらか1つでいいのではと思う人もいるでしょう。
そこで、今回は振袖の半襟の役割や使い方、重ね衿との違いについて解説します。
半襟のつけ方をマスターして、素敵に振袖を着こなしましょう。
目次
1.半襟は振袖の衿汚れを防ぐ役割がある
振袖は、洋服と違って簡単に洗濯することができません。
そのため、振袖を着る際は、直接肌に触れないように注意する必要があります。
半襟は浴衣以外の全ての着物に必要で半襟がない場合、きちんとときれいに着付けられません。
半襟はメイクなどで汚れやすい衿の部分の汚れを防ぐためのもので、振袖の下に着る長襦袢の襟に縫い付けて使います。
幅15cm程度、長さ1〜1.1mくらいの1枚布でできており、無地のものもありますが、振袖など華やかな装いの着物には刺しゅうが施されたものなどが人気です。
1-1.重ね襟(伊達衿)は装飾的な役割のみ
半襟が襟元の汚れ防止プラス装飾目的であるのに対して、重ね襟(伊達衿)の役割は着物との重ねコーディネートを楽しむためのものです。
重ね襟は振袖の着付けに必ずしも必要ではありませんが、振袖や帯揚げ・帯締めの色柄と合わせることで華やかさがアップするため、使用されるケースがほとんどです。
2.半襟は長襦袢に縫い付けるのが基本
半襟は長襦袢に縫い付けて使いますが、基本的には振袖の持ち主が、着付けの前に準備する必要があります。
振袖の販売店などで縫い付けてもらうことも可能ですが、別料金となる可能性が高いです。
縫い付け方はそこまで難しくありませんから、自分で縫い付けるケースも珍しくありません。
裁縫が得意でない方は、お店にお願いするか、以下の項目で紹介する簡単な方法もあります。
2-1.半襟の縫い付けに必要なものはこの6つ
自分で振袖に半襟を縫い付ける場合は、次の6つを用意してください。
- 半襟
- 針(縫い針・まち針)
- 絹糸(綿糸や合成繊維の糸はなるべく使わない)
- 糸切りハサミ
- 長襦袢
- 襟芯
2-2.半襟の付け方
半襟の付け方は次の手順で行ってください。
- 長襦袢や半襟にシワがある場合は当て布をしてアイロンをかける
- 半襟の片側の耳を1cm内側に折り、中心を長襦袢の襟の背中心と合わせて縦にまち針を留める
- 両端までまち針を留める。背中心〜両襟肩は余りやツレがないように丁寧に行う
- 縫い方はざくざくと荒めでOK。表に出る側は針目を短めにするのがおすすめ
縫い始めと終わりは一目通しして返し縫いする - 長襦袢を返し、裏面を上向きにする
- 4で縫った反対側の半襟の耳を引き、長襦袢の襟を包むように縫い付ける
左右の襟肩あきの間は1cmくらいの間隔で縫い、端まではざくざくと縫って最後は返し縫いをする - 縫い上げたら長襦袢を表に返す
- 襟芯を入れる場合は、内側に折る際に1cm以上折ってしまうと入らないため注意
2-3.両面テープでつけたりファスナータイプの半襟もおすすめ
裁縫が苦手な人や、お店に頼む時間がない人には、両面テープで半襟をつける方法もおすすめです。
- 長襦袢の襟部分に両面テープを貼る
- 半襟を1cmくらい内側に折り、両面テープに貼り付ける
- 襟芯を置き、襟芯と長襦袢の襟を覆うように半襟を折った後、長襦袢と半襟を両面テープでくっつける
両面テープを使う際は、何度も使うと粘着力が落ちることと、長襦袢に残ったテープを剥がすのが大変な点に注意してください。
また、最近はファスナーで取り付けるタイプの半襟もあります。
振袖にぴったりの可愛らしい刺繍が入ったものもあって便利ですが、メーカーごとにファスナーが違うため長襦袢のメーカーと同じ会社の半襟を選ぶ必要があります。
3.振袖の着付けには長襦袢に縫い付けた半襟が必須
半襟は振袖の襟汚れを防ぐために必要なもので、長襦袢に縫い付けたものを使います。
絹糸で丁寧に縫い付けるのが基本ですが、両面テープやファスナー色の半襟を用意する方法もあります。
しかし、粘着力の落ちたテープが長襦袢に張り付いてしまったり、長襦袢と半襟のメーカーを統一させる必要があるため気に入った半襟を選べないこともあるでしょう。
裁縫が苦手だったり、時間がない人におすすめなのはプロに頼むことです。
振袖専門店「一蔵」では、半襟の縫い付けも含めさまざまなサービスに対応しています。
「成人式には振袖を用意したけれど、どんな準備が必要かよくわからない…」という方は、ぜひ振袖専門店である一蔵にお任せください。