振袖の大きな魅力として帯結びがあります。バックにボリュームのある帯結びは振袖を一層華やかに引き立てます。
振袖の着付けは美容室でも予約できますが、着付け料がかかるので自分で結びたい女子も増えています。振袖の帯結びは果たして自分でできるのでしょうか..?
今回の記事では振袖帯結びを「自分で結ぶために役立つ知識」と「帯結びのカワイイ色合わせ」について書いていきたいと思います。
目次
1.振袖の帯結びは浴衣とどう違う?
(1)浴衣の帯は半幅帯
浴衣の帯の素材はさまざまです。木綿やポリエステル、麻などがあり、高級なものだと正絹(しょうけん)が使用されています。浴衣の帯は「半幅帯(はんはばおび)」と言われ、幅は約17cmで長さは3.6~4Mぐらい。最近では結び慣れていない方のために帯結びの部分が既に結ばれていて、ゴムがついている「ワンタッチ帯」も販売されています。
(2)振袖の帯は袋帯
振袖の帯の素材は正絹かポリエステルがメインです。振袖の帯は「袋帯(ふくろおび)」と呼ばれ、幅は約31.2cmで長さは4.3~4.5Mぐらいです。袋帯はその名通り、一枚の大きい布を半分に折って袋のように仕立てた帯なので、ピン!と立った立体的な結び方ができます。
袋帯は礼装用の帯なので、豪華な刺繍や金糸銀糸が施されていて見た目にもとても豪華です。最も高級なものは機械織ではなく手織りで、1本100万円もする帯もあります。一枚の大きい布よりも2枚の別の布を縫い合わせた方がコストは抑えられるため、最近では2枚仕立てになっている袋帯も主流となっています。
(3)袋帯にはお太鼓専用の帯もあるので注意!
振袖や留袖用として作られている袋帯には、色や素材や縫い合わせ以外にもいくつか種類があります。それは、「お太鼓結び」専用の帯があるということです。
※画像はお太鼓むすびのアレンジバージョンです
お太鼓結びとは、以下の画像のように結び方が太鼓橋をイメージさせる結びのことを言います。太鼓橋とは東京目黒区や神奈川県鎌倉市などの実際にある橋ですが、形がまるで太鼓の胴の部分のようなアーチ形を連想させることからつけられた名前なのです。
お太鼓結びを見ると、ちょうど結び目の部分にメインの柄がくるように絵付けされているのがわかります。お太鼓結び用の帯で他の結び方をすると、なんだかヘンな位置に柄が来てしまい帯結びが台無しになりますので注意しましょう。
2.自分で帯結びをする場合はどの結び方が簡単?
(1)まずは和装小物を揃えよう
初心者であれば立て屋結びのアレンジ版の貝の口結びが簡単です。まるで背中におみくじを背負った印象の貝の口結びは、男性の浴衣帯にも使われる難易度低めの結び方です。
ここでの和装小物は以下のものを使います。(今回の着付けは襟元を省略しています)
・長襦袢(着物の肌着のこと)
・腰紐(ベルトのように仮止めをする紐のこと)
- 伊達締め(腰紐の上から腰の周りをぐるりと巻きます)
- 帯板(帯をシワなく美しいシルエットで仕上げるためのグッズです
(2)次に長襦袢を起用
自分で帯結びをする前に、まず長襦袢という振袖の肌着を着るところからスタートです。長襦袢を着るのは、腰紐と伊達締めを使います。
普段着物を全く着ない方でも、この長襦袢を着るのは簡単です。一番のポイントは長襦袢の前身ごろ(前側の生地)を向かって右側を前に出るように合わせることです。このことを着物用不語では「右前(みぎまえ)」と呼びます。なぜ右前にしなければいけないかというと、古くは聖徳太子の時代から右前が合理的で庶民に合っているとされていたそうです。
分からなくなったら、YouTubeで「長襦袢 着方」などのキーワードで検索して参考にしてください。
(3)自分でできる振袖帯結びの流れ
さあ、長襦袢を着たら実際に帯結びの練習をしましょう。以下の流れで着つけていきます。
3.カワイイ☆色合わせがポイントの帯結びの色合わせ
帯結びはバックの結び目だけでなく正面から見た色合わせもカワイクしましょう。帯のメインの色×帯揚げまたは帯締めの色の組み合わせで、振袖全体のイメージがガラリと変わります。
①ゴールド×グリーン
金色の刺繍帯に赤い帯締め、そして帯揚げはパステルグリーンでコーディネートしています。上品な雰囲気の中にさわやかな印象を残す帯の色合わせですね。
②ピンク×グリーン
ボーダー柄の現代風な帯です。振袖の色に合わせているので、帯だけが浮くこともなくとてもマッチしてお洒落ですよね。帯締めも同じ色で合わせ脇役に徹しているので、振袖の柄がとてもよく引き立っています。
③ブラック×ゴールド
①と同じ振袖とモデルさんで帯だけを変えてみました。どうですか?①と比べて少し大人っぽい印象です。ゴールドとブラックは振袖の帯で定番中の定番の色ですので、さまざまな振袖に合わせやすい点で人気があります。
④ゴールド×レッド
ゴールドの帯に赤い帯締めを合わせた色合わせです。赤がメインの振袖なので、その色を帯色にも取り入れるとコーディネートしやすいですよね。ゴールドとレッドの組み合わせは華やかな印象で、より女性らしさを強調させてくれます。
ゴールドとレッドの組み合わせをもう1点ご紹介しましょう。帯の流れるような短冊柄が伝統的な雰囲気を出していますね。帯のバックの濃い茶色は振袖の柄の一部と同じ色です。このように、帯の色は振袖の柄のいくつかある色のうちの一色を取り入れると素敵にまとまります。
4.動画でキレイにできない場合はプロにお任せしよう
動画を見て振袖の着付けや帯結びにチャレンジすることはとても良いことです。自分でする着付けを通じて、着物自体にも是非興味を持っていただけると嬉しいです。
振袖の着付けは一日で簡単にマスターできるものではなく、それなりにキレイに着付けをするには時間もかかります。成人式まで時間がない!とというお急ぎの方は、まずは美容室や振袖店にお任せする方がよいと思います。
まとめ
振袖の帯結びの動画がたくさんアップされています。
簡単なものからある程度の知識がある方向けのものまでさまざまですので、自分にあった方法を探してみてください。どうしても無理なら、プロにお任せするのも良いと思います。
また、帯の色合わせは自由に選べる振袖店もあります。帯の色で全体的なコーデの印象が変わるので、帯色合わせも是非楽しんでください。