ママの振袖を成人式に着るママ振袖。振袖店を中心によく使われている言葉です。しかし、2022年の成人式ではテレビやSNSでもお母さんの振袖を着た女性が多く見受けられました。
お母さんの振袖を着る場合、寸法直しや丸洗い、シミ抜きなど通常の振袖購入にはない手間がかかります。今回の記事では、計画的にお母さんの振袖を着るための情報をお伝えします。
目次
1.ママ振袖で出席する女性が多かった2022成人式
今やほとんどの女性がスマホでネット検索している時代。成人式の振袖に関しても、カタログだけでなくネットで情報を探す方が多いのではないでしょうか。
今まで「ママ振袖」は振袖ショップのサイトでよく使われる専門的な言葉でしたが、今年はテレビやSNSでも「ママ振袖を着る女性が増えた」と取り上げたり、インフルエンサーが「ママ振袖を着た姿」をアップしていたり等、目にした方も多かったのではないでしょうか。
「ママ振」という言葉も急速に認知度が上がっている印象を受けます。
2.母の振袖を実際に着るまでの具体的なスケジュール
お母さんの振袖があるなら、是非成人式で着てください。あなたも、お母さんもきっと嬉しいはずです。しかし、いきなり着用するのは待ってください。お母さんの振袖を着るには、いくつか必須の手続きがあるのです。
①振袖店に持ち込み~前年の春ごろからスタート!
お母さんが和裁の先生である、すぐに来てくれる親戚は着物に詳しい、などの場合、まずはご家族にお母さんの振袖を見てもらいましょう。保管状態により、悲しいことですがシミやカビなどで劣化している場合があるからです。
あなたの周りに振袖や着物に詳しい頼れる方がいないのであれば、まずは振袖を振袖店に持ち込みましょう。電話であらかじめ「お母さんの振袖があって、見てもらいたいのですが」と問い合わせした方がよいでしょう。直接お直ししてくれる振袖店もありますし、提携業者に出してお直しをしてくれる振袖店もあります。
②寸法直し:前年の夏までに依頼を
お母さんの振袖を着るのに欠かせないポイントが、寸法直しです。洋服よりは着物の方がゆとりのある作りになっています。しかし、あなたの方がお母さんよりも大きい場合は寸法直しが必要な場合があります。
振袖の横幅をもう少し大きくとりたい、縦幅をもう少し大きくしたい場合、生地の余裕分(縫い代)までは伸ばすことができます。しかし、寸法直しをすることにより柄の配置がおかしくなってしまう、全体的なバランスがおかしくなってしまう、という状況になる可能性もあります。
その場合は新しい振袖をレンタルするか?という検討も必要になります。
③丸洗い~前年の秋までには依頼を
丸洗いとは、洋服店のドライクリーニングのようなイメージです。洗剤ではなく溶剤を使い、風合いを保ちながらドラム系洗濯機で丸ごと洗います。丸洗いすることで、スッキリと気持ちよく袖を通すことができます。
料金の相場は5千円~1万5千円程度です。シミ抜きや洗い張りと言った全体的な汚れを取る手法を使う場合は、別途追加がかかります。
④色ヤケ直し/洗い張り~前年の夏までには依頼を
お母さんの振袖で多いのが、色ヤケしている振袖です。元の鮮やかな色合いではなく全体的にくすんだ色になっている状態を指します。色ヤケした振袖は、色ヤケ直しに出すことで鮮やかな色合いが蘇ります。料金は7千円以上が目安です。
洗い張りとは、振袖を一度ほどいて反物にし、専用の洗剤を使用して全体的な汚れを手作業で取り除いたあとで、再度振袖に仕立て直すという非常に手の込んだお直し方法です。洗い張りは1万5千円~という価格帯で、仕立て代も別途必要になります。
3.どのくらいの期間がかかるのか?
①寸法直しの場合
寸法直しの標準的な納期は1ヶ月程度です。寸法直しをしてから小物を合わせますので、早めの相談/依頼をオススメします。
②丸洗いの場合
丸洗いにかかる期間は、早いところで10日前後、平均的には2週間以上かかります。成人式ぎりぎりに丸洗いを依頼するのではなく、遅くとも前年の夏や秋ごろまでには依頼をしましょう。
③色ヤケ直し/洗い張りの場合
色ヤケ直し、洗い張りは共に手作業で1点1点加工をしてくれるため、標準納期は約2か月です。
洗い張りに関しては、クリーニング店では一部対応していないお店もあります。
お直しはどのメニューも専門知識と技術が必要となる為、込み合う時期には3カ月以上かかることもある為、
なるべく余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
4.ママ振袖の持ち込み前撮りについて
お母さんの振袖で前撮りをする場合、「持ち込み振袖がOK」な写真館や振袖店を見つけて申込みをしましょう。店によっては、「当店の振袖以外は持ち込み料を頂きます」と、3千円程度の持ち込み料金を要求するお店もあります。
お母さんの振袖に合わせた小物だけの購入やレンタルが可能かどうかも、要チェックです。持ち込み振袖では、小物の貸し出しはしないという場合もあるため、事前に問い合わせをして確認してからお店に依頼してください。最近では小物をレンタルでき、前撮りもセットになった「ママ振袖のプラン」がある振袖店も多いので、そういうプランを利用して、自分の好みに合わせたコーディネートに変える方が増えています。
まとめ
お母さんの振袖を着ることは、素晴らしいことです。お母さんだけじゃなく、お母さんのご両親の気持ちも込められた大切な振袖ですので、シミがあっても色がくすんでいても、修復すれば成人式に堂々と参加できます。
お母さんの振袖を着るには、状態によりお直しが必要です。わからないことは、振袖店の専門スタッフに気軽に相談してみましょう。