振袖を購入するには、既製品を買う方法とオーダーで誂え(あつらえ)る方法とがあります。普段着物を着る機会がない方にはあまりなじみがない着物の誂えについて、ご紹介します。
目次
1.振袖の誂(あつら)えとは
①基本的に振袖は全て誂える
着物というものは、基本的にオーダーメイド、つまり誂える物です。オーダーメイドというと何だか特別なものに思えますが、自分にぴったり合った着物を仕立てることが、着物の楽しさでもあります。
着物を誂えるとは、すでに反物になっている生地を体型に合うように裁断して縫うことをいいます。
着物を仕立て直すというのは、すでにある人に合わせて誂えてある着物を、別の人に合わせて作り直すことをいいます。
振袖を購入する人も、レンタルする人も、まずはお気に入りの振袖を見つけよう♪
②帯も染める事もできる
誂えは、自分だけのオリジナルが作れるのが魅力です。着物だけでなく帯も誂えることができます。手持ちの着物に合う色柄の帯がどうしても見つからない場合は、帯の染めから依頼することができます。
振袖の写真と自分のイメージを伝えると、ふさわしいデザインを考案してもらえたり、自分で好きなデザインをおこして染めてもらうこともできます。
②振袖の誂え手順
(1)生地や加工を決める
まず、生地を選びます。好きな色柄や、フォーマルな着物であればそのルールに叶った生地を選びます。着物の色柄・素材・織りは非常に豊富ですから、まずどこに着ていく着物なのかを決めることから生地選びをスタートします。
ふさわしい生地が絞れたら、次に予算でさらに絞り込みます。着物を選ぶ場合は、用途と予算で絞り込むと、ふさわしいものを早く見つけることができます。
(2)見積もりを出してもらう
よい反物が見つかったら、見積りを出してもらいます。生地の種類などによって仕立てに難易度があるため、仕立て代は一律料金ではありません。一般に高価な着物、作りが複雑な着物、フォーマル度が高い着物などは仕立て代も高くなります。
振袖は一般的に仕立て代が高額な着物です。 また、仕立て代が相場より安すぎるのも避けたほうが無難です。せっかくよい生地を購入しても仕立てが悪ければ価値が半減してしまいます。今は海外仕立てと国内仕立てが選択できるようになっており、海外よりも国内のほうが高額になります。
(3)採寸する
自分の体の各サイズを採寸してもらいます。着物の仕立てに必要なのは、身長・裄丈・腰囲などです。シワなく美しく着物を着るには、着方以前に正しい寸法で着物をあつらえることが大切です。
長襦袢と着物の寸法も重要で、長襦袢がはみ出ないよう、長襦袢に合わせて着物のサイズを調節していきます。一度採寸しておけば、後でまた別の着物を仕立てるときにも役に立ちます。
(4)最終的な金額や確認をする
最後に、金額や出来上がり日を確認します。一般的に仕立てにかかる期間は1ヶ月ほどです。家紋入りにする場合や、特別な依頼をする場合は、さらに日がかかります。支払い方法もチェックしておきましょう。
2.誂えじゃない振袖とは
①誂えじゃない振袖は既製品
誂えではない着物は、すべて既製品です。採寸などの手間が省けるので、価格が安いのが魅力です。洋服の既製服とオーダーメイドをイメージすると分かりやすいでしょう。
②好みの柄や色が選べない
既製品はメーカーによる商品なので、自分の好みのものがあるとは限りません。メーカーが提供するものの中から選ぶしかないので、反物から自由に選べる誂えよりも選択肢は狭くなります。
③サイズが合わない場合もある
既製品は、標準的な体型に合うように作られています。洋服でいえば、S・M・Lのようなもので、ざっくりとした寸法で作られています。標準的な体型であれば問題ありませんが、そうでない場合はサイズが合わないことがあります。
安く買ったけれど、結局直しが必要になってしまったというケースも多いので注意が必要です。
まとめ
誂えは敷居が高いと感じるかもしれませんが、反物から自由に選ぶことができ、自分の体にぴったりフィットする着物を作ることができます。美しく着ることができるので、長く愛用することができます。振袖を購入するなら、誂えもぜひ検討してみてください。