総絞りの振袖が人気の理由とは?歴史・魅力・種類とおすすめの振袖をご紹介

昔から高級品とされていた総絞りの振袖は、豪華で華やかな印象を与えるため、ハレの日やお祝いの席にぴったりの振袖です。

振袖を選ぶ際に、お母様やお祖母様が「総絞りがいい!」とおっしゃる家庭も多いのではないでしょうか。「なぜ家族から総絞りが人気なの?」と、気になる方もいらっしゃると思います。

そこで本記事では、総絞りの歴史と魅力、絞りの種類などについてご紹介します。

また絞りの技法が取り入れられた、ICHIKURAで取り扱っている振袖もご紹介するので、ぜひ振袖選びの参考にしてください。

振袖の総絞りの歴史と魅力

総絞りの振袖とは、振袖全体に「絞り」と言われる染めの技法が施された振袖のことです。本章では総絞りの歴史と魅力について、詳しくご紹介します。

総絞りの歴史

日本における総絞りの歴史は、奈良時代ごろから続いているとされています。絞りが生み出す美しい模様が描かれた衣服は、当時から人々を魅了していました。そして江戸時代には高級品として扱われ、庶民には手が出せないほどの物だったそうです。

総絞りが高級品として扱われた理由は、職人が一つひとつを手作業で仕上げていた「希少性の高い品」であったからです。糸を用いて丁寧に絞り模様を作り上げていたため、大量生産することができず、誰でも手に入れられる品ではなったことから、高級品として扱われていました。

現在でも総絞りの技法は変わらず、昔と同じように職人が手作業で美しい絞り模様を生み出しています。他の染め物に比べると制作時間も長く、販売できる数量も限られてしまうため、高価な価格帯で販売される場合が多いです。

総絞りの魅力

総絞りの魅力は、豪華で華やかな印象を与えられることです。振袖全体に絞りが施されているため、成人式や結婚式などのお祝いの席にふさわしい華やかな雰囲気を演出できます。

また、総絞りは古くから人気のある伝統的な技法のため、いつの時代に着用しても古臭く感じることがありません。小物やヘアスタイルを変えて、クラシックかつエレガントに着こなせることも魅力の一つです。

そして総絞りの振袖は自分が着用したあとに、次の世代にも引き継ぐことが可能です。世代問わず、同じ振袖を着用できるのも魅力的なポイントです。

最近では、お母様やお祖母様などから受け継いだ振袖を着用する「ママ振り」も人気です。世代を超えて振袖を引き継ぎたいとお考えであれば、ぜひ総絞りが施された振袖の購入を検討してみてはいかがでしょうか。

振袖に用いられる絞りの種類

現在振袖に用いられている絞りの種類は、主に以下の3つです。

  • 鹿の子絞り
  • 辻が花
  • プリント絞り

それぞれの絞りについて、詳しくご紹介します。

鹿の子

鹿の子絞りとは、糸を布全体に括って染める技法のことです。染め仕上がった模様が、子鹿の背中にある斑点に似ていたことから、鹿の子絞りという名が全国に広まりました。中でも、京都で作られた鹿の子絞りは「京鹿の子絞り」として、国の伝統的工芸品に指定されています。

京鹿の子絞りは職人によって多くの技法が生み出され、現在は50種類ほどの絞り技法があるそうです。代表的な絞りの技法として、「疋田絞り(ひったしぼり)」や「一目絞(ひとめしぼり)」などがあります。

辻が花

辻が花とは、室町時代に流行した幻と言われている染め技法のことです。江戸時代の中期に「友禅染め」が登場したことにより、辻が花の作り手が減少し、辻が花を生み出す技術が途絶えてしまいました。そのため、「幻の染め技法」と言い伝えられています。

現在は数多くある絞り染めの技法と、描き絵の技術を組み合わせて、辻が花を表現しています。上品かつ華やかな模様が特徴で、成人式や結婚式などお祝いの場にふさわしい模様です。

プリント絞り

プリント絞りとは、総絞りの模様をプリントで表現した技法のことです。着物の生地に直接プリントで印刷を施すため、職人が手作業で仕上げた総絞りの振袖よりも、リーズナブルな価格で購入・レンタルできます。

プリント絞りは一見、職人が仕上げた絞りの模様に見えますが、糸で絞った凹凸がありません。絞り部分に触れることで、「本物の絞り模様」か「プリント絞り」なのかを判断できます。

またプリント絞りであるかどうかを見極める方法として、振袖の裏地を確認する方法があります。プリント絞りの場合、生地の表面に模様をプリントしているため、裏地は白い状態です。実際に染めた場合は、裏地まで染料が浸透しています。

「プリントの絞り」か「本物の絞り」のどちらかを見極める際は、ぜひ生地裏も合わせて確認してみてください。

【ICHIKURAで取り扱い有】絞りが用いられたおすすめの振袖

ICHIKURAで取り扱っている振袖の中から、絞りが用いられたおすすめの振袖を4つご紹介します。

・上品な絞りの振袖

品番:E-1055

振袖の全体に絞りの技法を用いた、上品さがあふれる振袖です。絞りの技法だけではなく、相良刺繍や金駒刺繍、金箔加工など多くの技法が取り入れられています。振袖の柄には桜や牡丹などの人気の花柄や、「長寿」の意味が込められた松などが施され、古典的な柄を華やかに着こなせます。

・可愛らしさのある絞りの振袖

品番:E-920

一目絞り・小帽子絞り・疋田鹿の子絞りを用いた、可愛らしさのある絞りの振袖です。紋意匠の生地をベースに使用し、桜模様が振袖全体に取り入れられています。緑の生地と桜模様の組み合わせと小さな柄付けにより、身長等に左右されずに着こなせる振袖です。

・高級感のある絞りの振袖

品番:E-1042

唐絞りの技法を用いた、高級感のある絞りの振袖です。振袖には吉祥文様である束ね熨斗がメインに描かれており、梅や桜・牡丹・松・笹などが取り入れられています。振袖に使用される色の数を厳選することで、品がありつつ華やかに着こなせる振袖です。

・色鮮やかな辻が花を施した振袖

品番:E-1002

色鮮やかな辻が花が振袖全体に描かれている、可愛らしさあふれる振袖です。辻が花をメインに、桜や手鞠などが色彩豊かに取り入れられています。また振袖全体に唐絞りと金加工が施されているため、可愛らしさもありつつ華やかな雰囲気も演出している振袖です。

絞りの帯揚げを合わせるとおしゃれな着こなしが叶う

絞りの技法が用いられた振袖に、絞りの帯揚げを合わせると、より華やかさのあるおしゃれな着こなしに仕上がります。本章では、絞りの帯揚げの選び方と結び方についてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

・絞りの帯挙げの選び方

振袖を統一感のあるコーディネートに仕上げたい場合は、振袖と同系色の帯揚げを選ぶのがおすすめです。例えば振袖の生地が赤であれば、赤・朱・ピンクなどの帯揚げを選ぶことで、振袖全体にまとまりのある上品なコーディネートに仕上がります。

また、振袖に使われていない色味を帯揚げで選んで、アクセントカラーとして取り入れるのもおすすめです。振袖の色味を引き立たせてくれるため、おしゃれなコーディネートに仕上がります。

例えば振袖の生地が赤であれば、緑や青などの帯揚げがおすすめです。振袖の生地が青であれば、赤やピンク・黄色などを取り入れることで、振袖の色味をより引き立ててくれます。

刺繍が入った絞りの帯揚げも、華やかな総絞り模様と相性抜群です。成人式など主役として振袖を着用するときは、ぜひ刺繍が入った絞りの帯揚げを選んでみてください。

・絞りの帯挙げの結び方

絞りの帯揚げを使った結び方は、さまざまな種類があります。振袖を着用するときに用いられる主な結び方は、以下の3つです。

  • 本結び
  • 一つ結び
  • アレンジ結び

それぞれの結び方について詳しくご紹介します。

本結び

本結びは、帯揚げの中心に結び目が作られた伝統的な帯揚げの結び方です。振袖だけでなく、留袖や訪問着にも用いられています。振袖の本結びでは、帯揚げの部分を大きく見せることが特徴です。

一つ結び

一つ結びは、結び目を見せないシンプルな直線で整えられた結び方です。絞りや刺繍のデザインを全面に見せられるため、華やかさのある印象に仕上がります。

アレンジ結び

アレンジ結びは、帯揚げを使ってリボンやお花など作る結び方です。結び方によってさまざまなアレンジが可能で、可愛らしい印象に仕上がります。成人式などで個性的なコーディネートにしたい場合は、アレンジ結びがおすすめです。

まとめ

総絞りは、奈良時代から続いている日本の伝統的な染め技法の一つです。職人が手作業で生み出す絞り模様は豪華でありつつ上品な華やかさがあり、現在も多くの人の心を惹きつけています。世代を超えて引き継げる振袖をお探しでしたら、ぜひ総絞りの振袖を検討してみてはいかがでしょうか。

ICHIKURAでは、伝統的な絞りの技術を用いた振袖を数多く取り揃えています。購入もしくはレンタルのプランを用意しているため、お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。専門のコーディネーターがお嬢様やご家族の要望をお伺いしたうえで、寄り添ってご案内させていただきます。