浴衣は気軽に着られる身近な着物ですが、意外と知られていないのはその保管方法。浴衣を正しく保管すれば、いつまでも色落ちや黄ばみしらずで長く美しく着られます。
今回の記事では、簡単にできる浴衣のさまざまな保管方法をご紹介いたします。
目次
1.浴衣を着たあとの洗濯方法
①洗濯前に、まずは風通しの良い場所で干します
浴衣の素材は麻かポリエステルか綿ですが、いずれにせよ、着用したあとは汗などで湿気がこもっている状態です。湿気がこもったまま放置すると臭いやシミの原因となってしまいます。
浴衣の袖は長いため、竿に左右の袖を通す方法で日陰の風通しの良い場所に干すのがベストです。竿がない場合は,100均一で購入できる突っ張り棒とS字フックを輪ゴムでぐるぐるに固定すれば、簡易浴衣ハンガーが出来上がります。
②浴衣の洗濯マークをチェック!
次に、浴衣の洗濯マークをチェックしましょう。洗濯マークは2016年12月1日から新しくなり、これまでは日本独自のJIS規格に対応していましたが、国際規格であるISO3758と統一になりました。そのため、例えばハワイで洋服を買ったとしても、日本で買う洋服のタグの洗濯マークと同じ基準の洗濯マークなのです。分かりやすくなりましたね。
洗濯マークの種類は非常に多いですが、浴衣の洗濯マークは以下の6種類だけとりあえずチェックしておけば問題ありません。
【浴衣で覚えておきたい洗濯マークと意味】
- 上から1行目→洗濯機で洗えるのか、手洗いできるのか
- 上から2行目→アイロンをかけられるのか、アイロンは不可なのか
- 上から3行目→ドライクリーニングができるのか、水洗いができるのか
洗濯マークの意味がわかったら、次はなんと、浴衣をたたみます。えっ!?まだ洗ってないのにたたんじゃうの?と思われる方もいらっしゃるかと思います。
浴衣は表面積の大きい衣類です。たたんでから洗った方が、洗いやすくシワを防ぐ効果もあります。
③浴衣を洗う前の浴衣のたたみ方
浴衣を洗う前に、全体的に汚れがひどいところはないか確認しながら袖たたみ(※)します。
浴衣を初めて洗う方のためのQ&A①
Q:「ソースなどの食べこぼしがある場合はどうしたらいいの?」
A:「部分用洗い洗剤を1~2滴洗剤ボトルのキャップにとり、直接汚れのひどい部分に垂らします。そのあと、キャップでポンポンと軽くたたいてなじませます。他の部分より洗剤を多くすることにより、汚れをスッキリ取り除きます。」
【浴衣の袖たたみの方法】(※)
→
- 1.浴衣の背縫い部分を中心にして袖と袖を合わせます
- 2.袖を浴衣の本体部分に折込み、着丈で3つ折りまたは4つ折りにします
- 3.汚れが特にひどい部分は表面に出るようにして洗濯ネットに入れます
- 4.使う洗剤は部分用洗い洗剤!浴衣の手洗い方法と洗濯機での洗い方
手洗いの場合は、以下の要領で洗います。
【浴衣の手洗い方法】
- 1.浴衣を裏返しにしてたたみます
- 2.洗面器に水をためて、たたんだ浴衣を浸します
- 3.中性洗剤(エマールなど)を洗面器へ1~2滴垂らします
- 4.20回ほど上から手で軽く浴衣を押します
- 5.水を2回ほど交換してすすぎます
- 6.洗濯ネットに入れて、洗濯機で脱水します(洗濯機の脱水ボタンのみをオン)
洗濯機の場合は、以下の要領で洗います。
【浴衣を洗濯機で洗う方法】
- 1.浴衣を裏返しにしてたたみます
- 2.たたんだ浴衣を洗濯ネットに入れます
- 3.洗濯機に洗濯ネット(浴衣)を入れ、中性洗剤(エマールなど)を1~2滴垂らします
- 5.洗濯機のふたを閉じて.洗濯機の電源を入れます
- 6.洗濯機の手洗いモード(またはドライコース)をオンにして、スタートボタンを押します
ポリエステル衣類の正しい洗濯方法|くらしがときめく、すてきなレシピ。
③洗濯マークがついていない場合は色落ちチェックを必ずしよう!素材ごとの洗い方
アンティークなどの古い浴衣やおばあちゃんから受け継いだ浴衣には、洗濯表示がついていないケースもあります。その場合はまず、浴衣が色落ちしないかチェックしてみてください。色落ちする場合は、浴衣単体で手早く手洗いをして、干す時も手早くするのがポイントです。高級な浴衣など思い入れの強い浴衣の場合は、自分で洗わず専門店に相談してみてください。
【浴衣の色落ちチェックの方法】
- 1.白い布(なければ濡らしたティッシュでも可)に浴衣を洗うための中性洗剤を小指の先ほどつけます。
- 2.1白い布で浴衣の目立たない部分(裾など)を軽くこすります。
- 3.白い布に浴衣の色がついたら、色落ち素材です。
あなたの浴衣の素材が①麻なのか②ポリエステルなのか③綿なのかを判断していきましょう。
①の麻はシャリシャリとした手触りが特徴で、②のポリエステルはシワになりにくく軽いのが特徴、③綿は丈夫で肌着やTシャツの素材になっているのが特徴です。浴衣の素材がなんとなくわかったら、以下の表を見ながらお洗濯していきます。
麻 | ポリエステル | 綿 | |
特徴 | ・吸湿性と耐久性が良い ・シワになりやすい ・縮みやすい | ・軽くて染色性が良い ・シワになりにくい | ・丈夫で汗を吸水しやすい ・日光による色映りや脱色がある |
洗い方のポイント | 洗濯ネットに入れれば、洗濯機でも洗えます。ドライコースや手洗いモードを洗濯しましょう。※普段使いの浴衣の場合 | 洗濯ネットに入れれば、洗濯機でも洗えます。ドライコースや手洗いモードを洗濯しましょう。※普段使いの浴衣の場合 | 綿は色映りしやすいため、必ず色落ちチェックをしてから洗いましょう。色落ちする場合は、単独で洗います。 |
2.浴衣を洗ったあとは?保管方法は?
①干し方
浴衣を干す時は着たあとと同様、基本的には日陰で竿に袖を通して干しましょう。その際の注意点ですが、肩周りと裄(ゆき)の部分が一直線になるように意識して干すと、型崩れしにくくなします。
②たたみ方
浴衣のたたみ方は振袖よりも裏地がないので簡単です。以下の図を参考にたたんでみましょう。
いまいち、たたみ方がわからない!という方は、袖だたみ(浴衣を背中心の半分で折って袖を身頃に折る方法)にして下からぐるぐる巻くだけの保管方法もシワがつかないのでオススメですよ♪
ちなみに、上記の画像は振袖・呉服専門店の「一蔵」が提供しているものを引用致しました。振袖の一蔵では振袖の販売・レンタルだけでなく、丸洗いや染み抜きなどのアフターサービスも行っています!
詳しくはお近くの店舗までお問い合わせください。
振袖の一蔵がどんな会社なのかまだ知らないお母さまのためのQ&A①
Q:振袖の一蔵って他の振袖の会社と何が違うの?
A:振袖の一蔵は東証一部上場企業の株式会社一蔵が運営しています。安心して振袖を購入・レンタル頂けるのはもちろん、着付け教室「いち瑠」の運営、一般的な着物や和装小物の販売、丸洗い・シミ抜き・撥水加工などの着物全般のアフターサービスも承っています。最近では、一蔵の運営する着物教室「いち瑠」が埼玉県で「子ども大学SAITAMA」として和装講座を子供たちに向け実施しました。
振袖だけでなく、着付けや着物のメンテナンスまで手掛ける着物のプロの一蔵なら、振袖を予約したあとも安心ですよね♪
③ハンガーかけの方法
「またすぐ浴衣を着るからたたまない方がいいな、、」と思われる方。そんなあなたは着物ハンガーで日差しが直接来ない場所に干しておくこともできます。着物ハンガーは洋服のハンガーのようになで肩の形ではないため、着物の形を綺麗にキープできます。
但し、長期間だと形崩れの原因にもなりますので、あくまで1週間程度までにしておきましょう。
3.浴衣をたたんで収納する場合の収納袋のおすすめ
浴衣をたたんだ後は、プラケースの衣裳ダンス(無印良品やニトリで購入可)や桐のタンスに浴衣用の防虫剤と共にしまいましょう。画像のように穴が開いている場合はいいのですが、通常のプラケースの場合は中に湿気がこもってしまうので、プラケースの下に除湿シートなどを敷いて湿気対策をしておきましょう。
また、最近よく売られている布でファスナーがついたタイプの収納ボックスもオススメです。プラケースよりは通気性が良く、上にいくつか重ねることも可能です。
4.浴衣を持ち運ぶ時に便利な袋は?
着物の持ち運びに良く使われている「たとう紙」が便利です。和紙でできた「たとう紙」は通気性が良く、着物をたたんだ状態でそのまま保管できるような形状になっています。
たとう紙は中に薄紙が入っていたり柄が入っていたりと、バリエーションがあります。安い物であれば千円以下、専門店では2~3千円で何枚か入ったセットのものを購入できます。
まとめ
浴衣を着た後から保管するまでをご説明させていただきました。
着物は大切にメンテナンスすれば、何年も着られるコスパの良い衣類です。
今年の夏にまだ浴衣を着られていないのであれば、是非この機会に浴衣の袖に腕を通してみて、正しいメンテナンスで毎年楽しい夏をお過ごしくださいね♪