帯締めのハートの結び方|基本からアレンジ方法まで詳しく紹介!

 

袋帯や名古屋帯を支える組紐「帯締め」は、着物コーディネートの重要なアクセントとなります。

日常的に着物を着る習慣がない人の多くは、「着付けはすべて着付師にしてもらうもの」というイメージを持っているでしょう。
しかし、ちょっとしたコツさえ掴めば、着付けの知識がなくても自由に帯締め結びをアレンジできます。

今回は、着物を可愛く着こなしたい人に向けて、帯締めの基本的な結び方とハートの結び方、さらにハート以外にもある可愛い結び方9選も紹介します。
同じ帯締めでも結び方を変えるだけで雰囲気が大きく変わるため、自分好みのアレンジを探してみましょう。

1.帯締めの基本的な結び方

帯締めの結び方を自分でアレンジしたい場合は、まず基本形である「本結び」を覚えましょう。
本結びの方法は、以下のとおりです。

帯の後ろ側から帯締めを巻きつけ、体の前に回した両端が均等な長さになるよう持ちます。
このとき、全体がゆるまないよう引っ張りながら持ちましょう。
自分から見て左側が上に来るよう帯締めを交差させ、上側にくる方の端を下から上に通してしっかりひと結びします。
結び目がゆるまないよう指で押さえつつ、右上側を輪状に曲げます。
左下側を結び目のすぐ左下で折り上げ、先ほどの輪に通して結びます。
結び目を整え、余った両端を脇腹あたりに挟み込んで完成です。
慶事で着用する場合は両方の房を上向きに、悲しみの席では下向きになるよう挟みましょう。

2.振袖を可愛く着こなすならハートの帯締めの結び方がおすすめ!

簡単にできるハート結びは、振袖はもちろん浴衣や街着にも合う結び方です。
浴衣帯(半幅帯)は帯締めなしで締められますが、近年はアクセントとして帯締めを合わせる人が増えています。

【ハート結びの方法】

まずは本結びを作り、余った両端を結び目の裏から上へくぐらせましょう。
結び目の両端にできた輪の上からそれぞれの端を通し、結び目の下で交差させて完成です。

このように、ハート結びは簡単で、初心者の人でも気軽に実践することができるでしょう。

結び目横の輪の大きさや交差させる部分の長さを変えると、ハートの形も変わります。
帯締めの太さや雰囲気に合わせて、微調整すると良いでしょう。

3.ハート以外にもたくさんある!帯締めの可愛い結び方9選

本結びと蝶結びを覚えれば、振袖にも似合う華やかなアレンジを楽しめます。
帯締めの種類や全体の雰囲気に合わせて、いろいろな結び方を試してみましょう。

帯締めに慣れていない人は、断面が丸い帯締めの「丸組」がおすすめです。
断面が平らな帯締めの「平組」を使う場合は、途中でねじれていないか定期的に確認しながら結びましょう。

ここからは、ハート以外の帯締めの可愛い結び方を9つ紹介します。

3-1.蝶結び(蝶々結び)

スニーカーの紐結びなどでおなじみの蝶結び(蝶々結び)は、初心者でも結びやすいアレンジです。

本結びと同じように、しっかりひと結びします。
左下側の端で輪を作り、右上側の端を輪の根元に巻きつけます。
巻きつけた先を輪の裏から少し引き抜き、しっかり引き締めて整えます。

シンプルさを活かして、ブローチや帯留め・帯飾りと組み合わせても良いでしょう。

3-2.リボン結び

本結びの派生形であるリボン結びは安定感があり、難易度も低めです。

まずは本結びを作ります。
一方の端を上方向に曲げ、結び目の裏から下へ通します。(反対側も同様に)

リボンを作ったあとの端を水平方向に流して挟むとシンプルに、そのまま斜め下に垂らすと可愛く仕上がります。
着物やヘアメイクの雰囲気に合わせて、仕上げを工夫しましょう。

3-3.ねじり結び

ねじり結びは、蝶結び(蝶々結び)の端をねじった帯締めのアレンジです。難易度も低く、美しい仕上がりとなります。

二股になる側を左にして帯締めを体に巻き付け、身体のやや左前で蝶結びにします。
二股の端を1本のロープ状になるようねじり、ロープ部分の端を帯締めの右前に挟んで固定します。
三股以上の帯締めを使うなら、三つ編みにしても良いでしょう。
反対側を好きな形(アーチ、波形など)に丸め、結び目の裏側から通して固定します。

簡単に華やかさを演出できるため、手先の器用さに自信がない人もきれいに結べるでしょう。

3-4.クローバー結び(水引結び)

ハート結びができれば、クローバー結び(水引結び)も簡単にできます。
幸運のしるしである四つ葉のクローバーは、おめでたい席にもおすすめです。

まず、本結びを作ります。
一方の端を下に向けて輪を作り、結び目の裏側から上へ通します。(反対側も同様に)
上向きになった端で再度輪を作り、結び目の裏側から下へ通します。(反対側も同様に)

仕上げは、一つひとつの輪を小さめにし、結ぶ位置を身体の中心よりもやや左寄りにすると、よりバランスが良く見えます。

3-5.華ぶさ結び

蝶結びの派生形である華ぶさ結びも、簡単ながら可愛らしく仕上がります。

まず、蝶結びを作ります。
一方の端を結び目の上に持ってきて、結び目の裏から下へ通します。(反対側も同様に)

蝶結びの輪と後から作る輪の大きさを変えると、アレンジが広がるでしょう。

3-6.薔薇結び

二股以上の帯結びにおすすめの薔薇結びは、ねじり結びの派生形です。

まずは本結びを作り、二股の部分をロープ状にねじります。
結び目を丸く囲むようにロープ部分を帯締めの裏に通し、最後に房を整えます。
反対の端は、本結びと同じように処理します。

結び目が大きくなるため、身体の中央から左右どちらかに寄せて結ぶとバランスが良くなります。

3-7.藤結び

簡単にできてシンプルにも華やかにもなる藤結びは、幅広い年齢の女性におすすめです。

本結びと同じように左が上に来るよう帯締めを交差させ、上側の端を下から上に2回通してしっかり結びます。
右上側を輪状に曲げ、左下側の帯締めを結び目のすぐ左下で折り上げます。
折り上げた端を輪に2回通して、結び目を完成させます。
両端を本結びと同じように処理すればシンプルに、結び目を丸く囲むように挟めば華やかに仕上がります。

難易度が低く、華やか・上品なイメージを演出することができます。

3-8.梅結び

伝統的で上品な華やかさのある梅結びは、お祝いの席に最適です。

背中から回した帯締めの両端をそれぞれ細長い輪状にし、余った2本の端(房)を下に垂らします。
房を上へ折り上げ、その上から右側の輪を左方向に折ります。
左側の輪を右方向へ折って②(左側へ折った輪)の上を通し、続けて房の下を通します。
房を下へ折り下げ、左下の輪を右上へ折り上げます。
右下の輪を左上へ折り上げて④(右上へ折った輪)の上を通し、続けて房の下を通します。
全体を少しずつ引き締めて、5つの輪のバランスを整えます。

埋め結びは他の結び方と比べてやや複雑ではあるものの、何度か練習すればすぐに慣れるでしょう。

3-9.桜結び

赤・ピンク系の帯締めで結びたい桜結びは、蝶結びの派生形です。

まずは、蝶結びを作ります。
一方の端を上に回して輪を作り、結び目の裏から下へ通します。
蝶結びの輪と②で作った輪が重ならないよう、形を整えます。
2本の端をまとめて横方向へ流し、帯締めに一度挟みます。
長い方の端をさらに帯締めに巻き付け、房が上向きになるよう整えます。

着物は季節感を重視されるものですが、桜モチーフ(写実的なデザインを除く)は季節を問わず取り入れることが可能とされています。

4.帯締めを購入・レンタルするならどこがおすすめ?

晴れの日に振袖を着たいなら、レンタルプランと購入プランのある「一蔵」がおすすめです。

レンタルプランでは、成人式などに必要な着付け道具一式とヘアメイク・写真撮影が揃っています。
サイズ展開が豊富なため自分に合う振袖を探しやすく、予算に合わせて小物を選ぶことも可能です。
レンタル期間は最大10ヵ月で、期間中は何度でも着られるため、成人式以外の予定(結婚式のお呼ばれなど)にも活用できます。

購入プランは、振袖の仕立てと着付け道具一式が揃ったプランです。
一度購入すれば初詣や結婚式のお呼ばれなどさまざまな場面で役立ち、自分自身の結婚式で着ることもできます。
成人式でおなじみの中振袖は花嫁用の振袖(大振袖・引き振袖)と仕立てが異なるものの、以下のように工夫すれば、中振袖として着ることもできます。

  • 帯結びとヘアメイクを華やかにして、花嫁用の小物を合わせる
  • 色打掛・白無垢の掛下として着る
  • 前撮り・お色直し・二次会用衣装として着る
  • 引き振袖に仕立て直す

豊富な種類の中から、理想の振袖・帯締めを選びたいという人は、一度「一蔵」をチェックしてみてください。

まとめ

帯締め結びの基本となる本結びや蝶結びを覚えれば、着付けの知識が少なくても自由に帯締め結びを楽しめます。
成人式や卒業式など、特別な晴れの日で手軽に周りと差をつけたいなら、いろいろな結び方を研究してみましょう。

どの結び方にするか迷うときは、帯締め単体だけでなく全身のコーディネートを考えると失敗が少なくなります。
帯の柄や帯揚げがシンプルなら帯締めを華やかに結び、着物や帯を際立たせたいなら帯締めをコンパクトにまとめると、バランスを取りやすくなるでしょう。