振袖の疑問。ポリエステルと絹の違いってある?何が違うの?

振袖には、絹で作られたものとポリエステルで作られたものがあります。それぞれの特徴を知り、自分に合ったものを選ぶのも振袖選びのポイントのひとつ。そこで今回は、ポリエステルと絹の違いについて紹介します。

1.振袖の素材を見ると「絹」または「ポリエステル」と書かれている

振袖を選ぶときは、どうしても色や柄などに注目がいきがちです。しかし、よく見ると、それぞれの振袖には「絹」あるいは「ポリエステル」という表示がついています。

絹もポリエステルも、振袖に使われている生地です。ではなぜ、振袖には絹あるいはポリエステルが使われているのでしょうか。

振袖は未婚女性の第一礼装であるため、素材もよりよいものを使わなければいけません。そこで従来から使われていたのが、天然繊維の中でも最も格式が高いとされている絹です。 しかし絹は高価で、生産量も限られています。

そこで使われるようになったのが石油から作られる合成繊維のポリエステルです。ポリエステルと聞くと薄い生地を連想する人もいるかもしれませんが、最近は技術の向上により絹と遜色ないようなものもできています。 これだけ聞くと、「昔から使われている天然繊維の絹のほうが良いのでは?」と思う人もいるかもしれません。

しかし、絹には絹の、ポリエステルにはポリエステルの良さがあります。それぞれの良さを説明していきましょう。

2.絹の良さとは

絹は、蚕の繭から作られる「生糸(きいと)」を使って織った生地で、つややかな光沢やしっとりとした肌触りなどが特徴です。

また、絹は吸放湿性が高く保温性が高いという特性があります。つまり夏は汗をかいても蒸れにくく、冬は体温を逃さず温かく着ることができるというわけです。

絹には、染め付けがいい、つまり染めの色が美しく出るという特徴もあります。絹の振袖はとても発色が美しいのですが、その理由は絹そのものの光沢に加えて、この染め付けの良さもあるのです。

こういったことから、古くから絹は貴族などの上流階級の人たちを中心に、衣服用の素材として使われてきました。

3.ポリエステルの良さとは

ポリエステルは、合成繊維のひとつです。石油から取り出したパラキシレンを原料に、さまざまな化学物質を化合して繊維状にして作ります。

安価で量産しやすいことや、耐久性が高いためにシワや型崩れにも強くお手入れも簡単であることから、現在の私たちが着る衣服の多くに使われている素材です。 ポリエステルの着物というと、生地が薄い、発色がいまひとつよくないというイメージを持っている人は少なくありません。

しかし現在では、絹糸の形状に近づけて作られたポリエステル繊維を使って生地を織り、織り上げた生地にさらに特殊加工を施して絹の風合いに近づけた高級ポリエステルも登場しています。こういったポリエステルは、一見絹とほとんど見分けがつきません。

振袖を購入する人も、レンタルする人も、まずはお気に入りの振袖を見つけよう♪

可愛すぎる!人気モデルのイチオシ振袖コレクションはこちら!

お気に入りの振袖がきっと見つかります!モデル満載の振袖カタログを取り寄せよう♪

4.絹の振袖は高いのか、ポリエステルの振袖は安いのか問題

成人式の振袖に絹とポリエステルのどちらを選ぶべきか、という話になると出てくるのが、「絹の振袖は高いが、ポリエステルの振袖は安い」という価格の話です。

実際に絹とポリエステルで価格の違いはあるのでしょうか。 確かに、生地の価格だけで考えると絹のほうが高いでしょう。しかし、振袖の価格は生地の価格だけで決まるものではありません。

振袖の価格は、ブランドや柄の人気などによっても左右されます。 つまり、必ずしも絹だから高い、ポリエステルだから安物、という話にはなりません。

絹の振袖がポリエステルの振袖より手頃な価格で出ていることも、逆にポリエステルの振袖が絹の振袖より高い価格で出ることもあります。単純に素材だけで高いかどうかを判断することはできないと言っていいでしょう。

 

5.振袖選びには個人の価値観がモロに出る!大切なのは後悔しないこと

それでは、成人式の振袖に絹とポリエステルのどちらを選べばいいのでしょうか。答えは「どちらでも大丈夫」です。 絹には絹の、ポリエステルにはポリエステルの良さがあります。

また、価格的に見ても、絹だから高い、ポリエステルだから安い、とは限りません。ということは、素材が何かというとこにとらわれることなく、その振袖を自分がどう思うか、その振袖を着て成人式という一生一度のハレの日を迎えたいかどうかを考えて選んだほうがよいのではないでしょうか。

もちろん、どうしても絹がいい、いや、私はポリエステルがいいという素材に対するこだわりがあっても構いません。どんな振袖を選ぶかには、その人の個性が現れます。素材にこだわるのもその人の個性だし、素材ではなく柄や色などにこだわるというのもその人の個性でしょう。

いずれにしても、大切なのは後悔しないことです。成人式は、一生一度のハレの日です。「本当は別の振袖を着たかったけど、素材のせいで反対されてしまい、不本意な振袖選びをしてしまった」と後悔するようなことは避けたいもの。絹だから、ポリエステルだからではなく、「この振袖を着たい」という気持ちに正直になって選ぶことが大切なのです。

 

まとめ

絹の振袖とポリエステルの振袖には、それぞれの良さがあります。また、絹の振袖は高価でポリエステルの振袖は安価であるとも限りません。素材ありきではなく、きちんと予算や柄、自分に似合うかどうかなどのさまざまな視点から振袖を見て、後悔しない1枚を選ぶようにしてください。