浴衣の保管方法とは?正しい洗濯・収納方法も解説

「浴衣の正しい保管方法は?」「浴衣を洗濯する手順は?」

「浴衣を綺麗に収納する方法が知りたい!」

上記のように、浴衣の正しい保管方法や洗濯する手順や収納法についてご存知でない方は多いのではないでしょうか。浴衣は正しく保管しないと、生地にカビやシミができてしまったり、虫くいにより生地が痛んだりする可能性があります。

本記事では、浴衣の保管方法や正しい洗濯・収納方法について詳しく解説します。来年の夏も浴衣を綺麗に着用できるように、ぜひ参考にしてください。

浴衣を着たあとの洗濯方法

浴衣を保管する前に、着用後の洗濯方法を覚えましょう。正しく洗濯できると、長期保管したあとも綺麗な状態で浴衣を着用できますよ。

浴衣を着たあとの洗濯方法は以下のとおりです。

  • ハンガーにかけて湿気を飛ばす
  • 洗濯表記をチェックする
  • 浴衣の汚れを確認しながらたたむ
  • 手洗いもしくは洗濯機を使って浴衣を洗う

それぞれの手順について詳しく紹介します。

①ハンガーにかけて湿気を飛ばす

浴衣を着用したあとは、ハンガーにかけて湿気を飛ばしましょう。短期間に浴衣を数回ほど着用する機会がある場合、湿気をしっかりと飛ばしたあとにそのまま着用できます。

浴衣は袖が長いため、通常のハンガーでは湿気を飛ばすことはできません。上記画像のように、着物用ハンガーを利用するのがおすすめです。浴衣を干す際は日光に当たると色褪せの原因となるため、風通しの良い日陰に干してください。

もし着物用ハンガーがない場合は、100円ショップなどで購入できる突っ張り棒とS字フックを活用しましょう。浴衣の袖が一直線になるように突っ張り棒を通したあと、S字フックを棒部分に輪ゴムで固定すれば、簡易版の着物ハンガーができます。

なお、浴衣を着用した際に大量に汗をかいていたり、目立つ汚れがついていたりする場合は洗濯が必要です。次の手順に従って洗濯をおこないましょう。

②洗濯表示をチェックする

出典:新しい洗濯表示 | 消費者庁

次に、浴衣の洗濯表示をチェックしましょう。洗濯表示は、浴衣の内側にある白のラベルに記載されています。浴衣を洗濯する際は、上記の洗濯表示を覚えておくのがおすすめです。

もし表示に従わずに洗濯をした場合、浴衣が縮んでしまったり、色落ちしたりする可能性があります。洗濯後も浴衣を着用できるように、必ず表示に沿って洗濯しましょう。

③浴衣の汚れを確認しながらたたむ

洗濯表示を確認できたら、浴衣についている汚れを確認しながらたたみましょう。浴衣は表面積の大きい衣類のため、たたんでから洗うことで型崩れやシワを防げます。

浴衣を洗濯する際のたたみ方は以下のとおりです。

 

1.浴衣を裏返し、背縫い部分を中心にして袖と袖を合わせます

2.袖を浴衣の本体部分に折込み、着丈で3つ折りまたは4つ折りにします

3.汚れが特にひどい部分は表面に出るようにたたみます

4.洗濯機で洗える浴衣は洗濯ネットに入れてください

浴衣に汚れがついている場合は、部分用の洗剤を1〜2滴ほど汚れている部分につけます。その後、軽くたたいて洗剤をなじませたあと、洗濯機もしくは手洗いで洗ってください。

④手洗いもしくは洗濯機を使って浴衣を洗う

浴衣をたたんだあとは、洗濯表示に従って手洗い・洗濯機を使用しましょう。それぞれの洗い方を以下にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

【浴衣の手洗い方法】

1.浴衣を裏返しにしてたたみます

2.洗面器に水をためて、たたんだ浴衣を浸します

3.おしゃれ着用洗剤を洗面器へ1〜2滴垂らします

4.20回ほど上から手で軽く浴衣を押します

5.水を2回ほど交換してすすぎます

6.洗濯ネットに入れて、洗濯機で脱水します(できる限り短時間で済ませてください)

【浴衣を洗濯機で洗う方法】

1.浴衣を裏返しにしてたたみます

2.たたんだ浴衣を洗濯ネットに入れます

3.洗濯機に洗濯ネット(浴衣)を入れ、おしゃれ着用洗剤を1〜2滴垂らします

4.洗濯機の手洗いモード(おうちクリーニングまたはドライコース)を押して洗濯してください

参照:アイテム別洗い方|花王株式会社

浴衣に洗濯表示がついていない場合の洗い方

アンティークの浴衣の場合、洗濯表示が薄れてしまったり、ラベルが取れていたりする場合は、自分で浴衣の色落ちをチェックしましょう。浴衣の色落ちをチェックする方法と、素材別の洗濯方法について以下にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

浴衣の色落ちチェックの方法

1.白い布(なければ濡らしたティッシュでも可)に、浴衣を洗うためのおしゃれ着用洗剤を小指の先ほどの量をつけます

2.白い布で浴衣の目立たない部分(裾など)を軽くこすります

3.白い布に浴衣の色がついたら、色落ち素材です

色落ちする浴衣を自宅でクリーニングする際は、他の洋服に色移りしないように浴衣単品で洗うのがおすすめです。高級な浴衣や思い入れのある浴衣の場合は、浴衣や着物を取り扱う専門のクリーニング店に依頼しましょう。

浴衣の素材をチェックする方法

浴衣の洗濯表示がわからない場合は、必ず浴衣の素材もチェックしましょう。浴衣に使用されている素材によって、洗濯する際の注意点が異なるためです。

浴衣の素材は、主に3つに分けられます。それぞれの確認方法について以下の表にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

素材見分け方
シャリシャリ・ザラザラとした硬い手触り
綿柔らかな手触りで肌に引っかからない
ポリエステルサラサラとした手触りでシワになりにくい

浴衣の素材別の洗濯方法

浴衣の素材を見分けられたら、素材の特徴をふまえたうえで洗濯をおこないましょう。素材ごとの特徴や洗い方のポイントは以下のとおりです。

素材特徴洗い方のポイント
・吸湿性と耐久性が良い

・シワになりやすい

・縮みやすい

洗濯ネットに入れれば、洗濯機でも洗えます。

ドライコースや手洗いモードを選択しましょう。

※普段使いの浴衣の場合

綿・丈夫で汗を吸水しやすい

・日光による色移りや脱色がある

色移りしやすいため、必ず色落ちチェックしましょう。

色落ちする場合は、浴衣単品で洗ってください。

ポリエステル・軽くて染色性が良い

・シワになりにくい

洗濯ネットに入れれば、洗濯機でも洗えます。

ドライコースや手洗いモードを選択ちぇしましょう。

※普段使いの浴衣の場合

浴衣を洗濯したあとの保管方法

ここからは、浴衣を洗濯したあとの正しい保管方法について紹介します。

①浴衣の干し方

洗濯を終えて浴衣を干す際は、着用したあとと同じように着物用ハンガーにかけて、日陰で干しましょう。肩周りと裄(ゆき)の部分が一直線になるように干すと、浴衣の型崩れを防げます。

洗濯後、一週間以内に浴衣を着用する機会があれば、着物用ハンガーにかけて保管しても問題ありません。着物用ハンガーにかけて保管する場合も、必ず日の当たらない場所で保管してください。

もし、洗濯してから一週間以上あとに浴衣を着用する場合は、たたんで保管するのがおすすめです。長期間ハンガーにかけたままだと、型崩れの原因となりますのでご注意ください。

②浴衣のたたみ方

浴衣をしっかりと乾かしたあとは、上記の画像を参考にたたみましょう。浴衣を綺麗にたたむコツは、シワを伸ばすように手で撫でながらたたむことです。

画像⑦のようにたたんだあと、保管する場所に入らない場合は、四つ折りにしてたたんでも問題ありません。保管する場所の大きさに合わせて、浴衣をきれいにたたんでください。

浴衣を綺麗に収納する方法

浴衣を綺麗にたたんだあとは、各家庭にある収納場所に保管しましょう。浴衣を収納する場所は、主に以下の3つが挙げられます。

  • 桐タンス
  • プラスチックの収納ケース
  • 布地の収納ケース

桐タンスは吸湿性が高いため、カビやシミの原因となる湿気を防いでくれます。内部の湿度を一定に保ってくれるため、浴衣や着物などの保管におすすめです。虫くいを防ぐために、防虫剤も一緒に保管しましょう。

プラスチックの収納ケースは軽量で使いやすいですが、吸湿性はないため湿気が溜まりやすいです。浴衣を収納する際は、除湿シートを利用しましょう。

一方、布地の収納ケースは通気性に優れているため、内部に湿気が溜まりにくいです。ただし、湿度が高い季節や地域では湿気が溜まるため、除湿シートなどを使って湿気対策しましょう。虫くいによる被害を防ぐために、防虫加工が施されているものを選ぶのがおすすめです。

浴衣を持ち運ぶ時はたとう紙を活用する

浴衣を持ち運びする際は、たとう紙を活用しましょう。たとう紙とは、和紙でつくられた着物を保管する際に使用する特別な紙のことです。通気性が良く、吸水性も高いため、着物や浴衣を保管・持ち運びする際に昔から使用されています。

たとう紙は、呉服店や振袖専門店などの着物を取り扱っている店舗や、ネット通販などでも手配できます。使用期限は約1〜2年のため、定期的に買い替えるのがおすすめです。

まとめ

浴衣を保管する前に、正しい洗濯方法で汗や汚れを落としましょう。浴衣を着物用ハンガーにかけたあとは、洗濯表記や汚れを確認したうえで、手洗いもしくは洗濯機を使って洗ってください。

もし浴衣に洗濯表示がついていない場合は、色落ちや素材をチェックします。素材の特徴や手触りを確認したうえで洗濯をおこないます。色落ちする浴衣の場合、自分で洗濯すると生地を傷めてしまう可能性もあるため、浴衣や着物専門のクリーニング店に依頼するのがおすすめです。

浴衣を洗濯したあとは着物用ハンガーを使って乾かし、シワを伸ばしながら綺麗にたたんだうえで収納ケースに保管します。プラスチックや布地の収納ケースは湿気が溜まってしまうため、必ず除湿シートなどを使って湿気対策をおこないましょう。